トークセッション「建築とモビリティ」に登壇
2024 01 26
mobility : type_S712
mobility : type_R
カテゴリ : Project
1月20日、日本建築協会の若手設計者が集まる組織「U-35委員会」が主催するイベント「トークバトン」に、企画・制作チームの高山がゲスト登壇いたしました。
テーマは「建築とモビリティ」。
「動かない」建築と「動く」モビリティ、それぞれの分野から新たな街のあり方を探りました。
遊牧的に移動しながら形をかえる「木ユニット」
U-35委員会の市川さんからご紹介いただいたのは「ノマディック(遊牧的な)木(もく)ユニット」。
木口断面の厚さが2インチ、幅が4インチの「2×4材(ツーバイフォー材)」と「丸棒」の組み合わせでできていて、どこでも簡単にバラし、組み立てることができるそう。
場所に応じて屋台ブースになったり、ベンチになったりと、可変的な空間を創り出します。
「今日は社会実験でここで使用していますが、明日はまた別のどこか街なかに置かれているかもしれない。遊牧的に移動しながら場所に合わせて変化する。木ユニットは建築におけるモビリティ」と市川さん。
何もなかった場所にベンチが一つ、ブースが一つあるだけで人の流れが変わり、新たな空間が生まれるそう。
ひとや物の動きやすさは、社会の変化しやすさだとお話しいただきました。
まちを回遊する家具「iino」
高山からは「動く家具」をコンセプトとする自動走行モビリティ「iino」をご紹介しました。
iino 「type-S712」は、動いているときは「歩く速度の自動走行モビリティ」。どこでも自由に乗り降りでき、街を回遊するような体験を提供します。
一方、充電中のような動いていないときは、カフェのカウンターのように利用でき、人が集い、会話が生まれる空間を創ります。
「動く」モビリティと、「動かない」家具。
相反する要素をもつプロダクトですが、外装にあたたかみのある木材を使用し、家具を連想させるボクシー(boxy・箱型の)なデザインにすることで「家具としてのモビリティ」が成立し、街なかに可変的な空間を創ります。
iino「type-R」は「動く植栽」として、室内をゆったりと自動走行しながら、人の動線をつくったり、空間に緩やかなしきりを設けたりと、可変的な内装として静的な空間に変化を与えます。
既存のまちで、これまで人がしたことのない体験を
建築におけるモビリティ「木ユニット」と、モビリティにおける家具「iino」。
「建築」と「モビリティ」という異なるフィールドにありながら、セッションを通して見えたのは、多くの共通点でした。
木ユニットの設計を中心的にまとめたU-35委員会の倉知さんが「両者は、既存の街で人が体験したことのない感覚に焦点を当てる」とお話しされていたのが印象的でした。
「動く」と「動かない」をまたぐものが、何を生み出し、街が、社会が、暮らしがどう変わるのか。
建築という分野から多くの示唆をいただき、改めてiinoというプロダクトを見つめ直す機会となりま した。
これからも、モビリティという枠を越え、さまざまな分野の方々とiinoで遊びながら、その可能性を追求し、新たな街の在り方を探求していきます。
わくわくする刺激的なトークセッション、ありがとうございました。
(おまけ)
晴れていれば青空のもと、こたつでみかんを食べながら行われるはずだった当イベント。
当日はあいにくの雨だったため室内での開催となりましたが、参加者にはみかんのプレゼントが。
終了後、おいしくいただきました!
(左から)ソフトウェアエンジニア米本、クリエイティブディレクター浅井、企画・制作高山