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【レポート】有楽町 丸の内仲通りでの実証実験
2024 11 11
mobility : type_S712
カテゴリ : Project
10月28日から11月6日、丸の内仲通り有楽町エリア(東京都千代田区)にて実証実験を行いました。
大手町、丸の内、有楽町は「大丸有」エリアと言われ、歩いて楽しい「ウォーカブル・シティ」を目指して、一体としてまちづくりが進められています。
道路に椅子やテーブルを設置し、憩いの空間を創出する「丸の内アーバンテラス」や、公園のように道路空間を解放する「丸の内ストリートパーク」など、これまで多くの先進的な取り組みが行われてきました。
「めぐる・めざす・さまよう」移動
そんな大丸有エリアでは、さまざまなモビリティを活用した新たなサービスが求められています。
シャトルバスやグリーンスローモビリティでエリアを「めぐる移動」、電動キックボードやシェアサイクルでエリア内のスポットからスポットへ「めざす移動」、そして目的地をもたず、移動そのものを楽しむ「さまよう移動」。
これらの移動をかけあわせ、大丸有ならではの「回遊型ウォーカブル」をつくることで、歩いて楽しいまちづくりに寄与するモビリティ・サービスの創出が目指されています。
都市をさまよう移動体験
それらの中から、今回設計したのは「さまよう移動」。
日比谷で開催中のアジア最大級の映画祭「東京国際映画祭」をテーマに、映画館のスクリーンに見立てた「モビリティ・スポット」を各所に設置し、映画祭に関連するコンテンツを展開。
スポット間を自動走行モビリティ「iino type-S712」でむすび、丸の内エリア全体で映画祭のプロローグのような体験を演出しました。
コンテンツを通して街の人を映画祭へ誘い、丸の内エリアでの映画祭のPRと回遊性の向上にアプローチします。
screen1 都市を纏うレッドカーペット
有楽町駅をでてすぐ、多くの人が行き交う交差点の向かい側にあるのが体験の入口となるモビリティスポットです。
細い路地からあらわれるモビリティに乗り、映画祭の会場がある日比谷方面へ向かいます。
スポットの背景には映画祭をモチーフにしたモーショングラフィックを流し、レッドカーペットの上はフォトスポットに。
スポット横のオーニングではノミネート作品のティザー動画や舞台挨拶の映像を上映。
モビリティが到着するまでの待ち時間を過ごしていただけます。
screen2 都市へ滲み出すシアター
細い路地をぬけた先、日比谷方面へ向かう通りに設置したのはミニシアターのようなスポット。
映画祭をモチーフにしたモーショングラフィックを投影し、モビリティに乗る人はもちろん、通りを歩く人へも映画祭をPRします。
screen3 都市を憩うオープンリビング
日比谷駅からの階段を登ってすぐの場所には、人々が憩い、滞留する機能をもつスポットを。
街にある既存のブロックに、木でできたファニチャーを施し、リビングルームのようなあたたかみのある空間に設えました。
モビリティの到着を待つ時間や、映画祭の会場へ向かう前のひとときを過ごしていただけます。
テーブルに設置したディスプレイには、iinoの現在位置が表示されるほか、乗り降りの方法も。
screen4 都市を再発見するモビリティ
日比谷と有楽町をむすぶ丸の内仲通りでは、モビリティから、閉館したビルの壁面に映画祭のロゴや映画祭をモチーフにしたモーショングラフィックを投影しました。
iinoを動くメディアとして活用し、空間全体で動的に映画祭をPRします。
実証後のデータ分析では、投影物に対するエンゲージメント時間は、iinoに乗車いただいた方のほうが歩行者よりも長いという結果がえられました。
投影を行ったルートでは、遠隔監視による無人の自動走行を行いました。横断歩道における「一旦停止」「再発進」は、付近のビルに設けた遠隔監視室から制御して行っています。
screen5 都市に集う路地裏
仲通りを有楽町方面へすすみ、モビリティは「新国際ビルヂング」の中へ。
ビルを抜けた先の路地裏、「スリットパーク」でトークセッションが開催されています。
レッドカーペットをモチーフに装飾した空間で「建築」や「映像」、そして「移動」の専門家と、都市におけるモビリティのあり方や、コミュニティづくりについて分野を越えて刺激的なセッションが行われました。
ウォーカブルな街のモビリティ・サービス
目的地をもたず、気の向くままに足を運び、行った先で新たな街の風景に出会う。
好きな場所に留まり、建物の内外を自由に出入りし、移動そのものを楽しむ。
ウォーカブルな街では、従来のモビリティ・サービスにはなかった新たな価値が求められています。
乗車後のアンケートでは、iinoによる移動そのものの楽しさについて多くの方から一定の評価をいただきました。
車中心からひと中心の街へと転換するなか、歩行者とモビリティが共存し、移動の価値が変わっていく。
乗り物は便利なのはもちろん、快適で楽しく、気づかなかった街の魅力を教えてくれるものへ。
少し先にみえた、人とモビリティが共存する未来の街はもうすぐそこまで来ているのかもしれません。