
【レポート】羽田空港 第2ターミナルに導入
2025 03 21
mobility : type_S
カテゴリ : Project
旅のはじまりのワクワクや、静かなラウンジでほっとする気持ち。
滑走路から飛び立つ飛行機を見る楽しさや、旅立つ人を思うやさしさ。
場所をつなぎ、人と人をつなぐ空港は、さまざまな思いがうまれ行き交う場所です。
羽田空港では、そんな人の気持ちに着目し「人のこころを動かすために、空港が出来ることのすべて。」をテーマに
先端技術や空間デザインなどの分野で研究開発が進められてきました。
旅のはじまりにふさわしいひとときを
3月19日、「お客さまの移動体験をより自由で、ワクワクするものにしたい」という想いのもとターミナル拡張にともなう
新たな移動サービスとして「iino type-S1300」を導入していただきました。
搭乗口までの数分が、旅のはじまりにふさわしいひとときになるように。
羽田空港のもつ世界水準のホスピタリティを、モビリティの速度や音声ガイド、サウンドデザインを通して設計していきます。
心地よさのデザイン
走行するのは、第2ターミナル本館と北側サテライトの接続部分をふくむ約450m。
52番ゲートから47番ゲートまでの直線を、動く歩道と並走するように進みます。
走行速度は、およそ3.5km/h。
周囲の通行と調和しながら、乗る人の心地よさを保つ速度です。
前後のセンサーで、周囲の状況を検知しながら人の行き交う通路を自動走行します。
モビリティの外装にはあたたかみのある木材を使用。
やわらかなカーブを描く手すりには、爽やかなスカイブルーを。
大きな車体の圧迫感を軽減し、周囲と調和するデザインで空間に心地よさをうみだします。
床面は可能な限り低く設計し、どなたでも安心して乗り降りしていただける高さに。
また、羽田モデルには、滑らかなフォルムの椅子と丸みを帯びたポケットのような荷物スペースをご用意しています。
小さなお子さま連れの方や、キャリーケースをお持ちの方にも、快適に移動時間をお過ごしいただける空間にしつらえ
ました。
A 10-minute journey beyond time.
一面ガラス貼りの向こうには、抜けるような青空を背にならぶ色とりどりの航空機。
モビリティから流れる、弦楽器の軽やかな音色が旅のはじまりを彩ります。
会話をかわし、景色をながめている間に、搭乗ゲートへ。
自動で停止し、到着をお知らせする多言語の音声ガイドがながれます。
時をわすれる、およそ10分間の移動体験。
搭乗前のあわただしい時間が、ほっとするひとときに。
ささやかな移動のサポートが、搭乗前の不安や緊張をやわらげ気持ちに余白をうみだします。
空港の新たなインフラとして
異なる言語や文化、さまざまな年齢や性別。
世界中の人が行き交う空港で、特別な誰かのためではなく、すべての人にとって心地よい移動サービスであるために。
空港の新たなインフラとして、低速の自動走行モビリティの可能性はまだまだ広がっていくと信じています。
あらゆる違いを越えて、人に寄り添い、こころを動かす移動のかたちとは。
世界にひらかれた空港の未来に向けて、今ゆっくりと進みはじめたばかりです。