

















【レポート】羽田空港に新モデルを導入
2026 02 06
mobility : type_S
カテゴリ : Project
2025年11月、第2ターミナルを走行する「iino type-S」の新モデルへの入れ替えを行いました。
モビリティを「移動手段」ではなく「動く空間」として捉え、レイアウトや照明、
寸法などを丁寧に設えました。
第2ターミナル本館と北側サテライトをつなぐ通路、
52番ゲートから47番ゲートまでを、歩く速さの自動走行でご案内しています。
移動する休息
旅のはじまりは一歩外へでたときから。
時刻表を確認し、手元の時計を気にしながら次から次へと移動が続く。
荷物を抱え、道を足早に通り過ぎ、次の目的地へ。
旅は意外と忙しい。
そんな旅の途中に、心がほどける移動空間を。
荷物を置いて、ゆったりと座れる広い座面。手元を照らす間接照明の柔らかな光。
空間がそのまま移動しているような低速の自動走行。
それは、搭乗ゲートへご案内するもうひとつのラウンジです。
チェックインを済ませ、保安検査場を抜けた先で
周囲の喧騒から、ひととき離れられる場所。
通路を行き交う人の姿、窓の外に見える景色がゆっくりと流れていく。
ゲートまでのほんの数分間。
移動する休息が、旅を変えていきます。
心地よい移動空間
どなたにも安全にご利用いただけること、移動サービスとして便利であること。
その先で、私たちが次に選んだのは空間としての設えです。
両端の座席シートは、身体をしっかりと受け止めながら、ほどよく沈む柔らかさ。
奥行きを広くとり、リュックを背負ったまま、抱っこ紐をつけたままでも快適にご利用いただけます。
大きめの手荷物も、横に置いてゆったりと。
片側3名ずつ、6名まで座っていただける設計です。
座席の間のスペースは立ち席として。
なめらかな曲線を描く手すりに身を預け、景色を眺めたり、会話を楽しんだりリラックスして過ごしていただけます。
モビリティの開口部は、一般的な玄関ドアよりも広めの960mm。
キャリーケースを持ったまま、スムーズに乗り降りしていただけるサイズです。
手すりにも自然に手を添えることができ、乗り降りをサポート。
あたたかみのある木肌、柔らかな曲線をベースにしたデザインはそのままに新モデルでは空間としての心地よさを形に
しました。
旅のはじまりの光
午前8時、朝のフライトがピークを迎え、カフェやレストランからコーヒーの香りが漂う時間。
モビリティの起動とともに、座席シートの横にある間接照明がともります。
薄い木の層から拡散するやわらかな光。
やさしい陰影が、その場に立体感や奥行きを与え、空間に広がりを生み出します。
モビリティが移動するための道具ではなく、空間として機能しはじめたサインです。
照明を覗き込むと、色とりどりに重なる層が。
ペットボトルキャップのアップサイクルを手がけるブランド「スーパーメイト」さんの素材です。
役目を終えたキャップが集められ、重なって、混ざり合い、偶然生まれた色の表情。
その一枚一枚を、厚さ1.5mmまで薄く仕上げることで、光に透かしています。
透けた先に浮かぶのは、誰かの暮らしの記憶。
そのストーリーをのせて、旅のはじまりを照らしています。
旅のこれからを変えていく
チェックインカウンターやロビーのざわめき、搭乗を知らせるアナウンス。
空港はさまざまな人が行き交う、静かな活気に包まれた場所です。
そんな場所で、私たちが選んだ移動の形。
それはふっと心がゆるむような、自分のリズムを取り戻せる移動空間。
搭乗ゲートの締め切りや、飛行機を降りた後の移動、帰りの便の手配はあるけれど。
「まぁ、いいか」って、自然と肩の力が抜けるような。
心地よい速さで、気まぐれな寄り道や、偶然の出会いを楽しみながら。
旅の途中に、整うひとときを。
そんな余白が、これからの旅をささやかに変えていくことを願って。
「人のこころを動かすために、空港が出来ることのすべて。」をテーマに先端技術や空間デザインなど、さまざまな分野で研究開発が進められてきた羽田空港。
その新たな移動の姿は、こんな景色の先にあるのかもしれません。
iinoサービス案内
https://tokyo-haneda.com/service/facilities/iino.html