

















こんにちは、mini-iinoです。
2026 05 28
mobility : type_S712
カテゴリ : Mobility
mini-iinoが生まれるまで —「モノだけでなく、人とまちをめぐるサイクル」のこと
mini-iinoは、iinoの切れ端から生まれた、小さなiinoです。手のひらにちょこんと乗るくらいの、4層のミニチュア。
ただ、この小さなプロダクトをつくるまでには、それなりに長い対話の時間がありました。「アップサイクルって、そもそもなんだろう?」「ぼくらは、なんのためにそれをやるんだろう?」—そんな問いから、ゆっくり始めた話です。
「アップサイクル」を、あらためてしらべてみる
iinoをつくるとき、どうしても切れ端が出ます。木のいい香りがして、iinoと同じ不思議な曲線をしていて、捨てるにはちょっと忍びない。なにかにいかせないかな、と考えていくうちに、「アップサイクル」という言葉に行き当たりました。
そうして調べていくうちに気づいたのですが、アップサイクルって、リサイクルではなくてリユースに属するんですね。木のプロダクトの世界には、リユースのサイクルが最終的に植樹にまでつながるような、とてもスケールの大きな取り組みもあるそうです。
—では、iinoらしいサイクルって、なんだろう?
知れば知るほど、ふと立ち止まって考えてみたくなりました。
iinoがとどけたかったものって?
そこで、「まずは何のためにこのmini-iinoを作るのか」というところから、もう一度チームで会話することにしました。
ふりかえってみると、iinoが本来ユーザーにとどけたかったのは、「走る場所の魅力を引き立てること」「偶然の出会いを生み出すこと」、そして「都市のあり方を変え、移動の価値を変えること」でした。
だからmini-iinoでも、モノだけが循環するんじゃなくて、もう少し広がりのある循環をつくれないかな、と。つくる理由の根っこを掘るうちに、「ユーザーや、ファンになってくれた方の笑顔のためにやっているんじゃない?」という思いに、最後はたどり着きました。
モノを通して人へ、そして、まちへとつないでいくサイクルの在り方をみつめなおす。 それこそが、mini-iinoの出発点になっています。
mini-iinoのコンセプト
1. コンセプトの核 —「モノだけでなく、人とまちをめぐるサイクル」
iinoはまちを動く存在で、端材はその延長として新しくいかされる素材。モノづくりのその先に、人とまちが循環の一部として参加していく。そんな仕組みを目指しています。
2. 背景にある課題
モビリティを制作するときに発生する端材が、そのまま眠ってしまうこと。そして、アップサイクルが「モノの循環」に偏りがちで、生活者との接点をなかなか持ちにくいこと。これらが、企画の出発点にありました。
3. 企画の特徴
端材からつくるのは、小さな日用品やアクセサリーといった、暮らしにそっと触れるアイテム。モノが手から手へ渡るそのあいだに、人と人のつながりが生まれ、まちのなかに循環が広がっていく。そんな流れを設計しています。
4. 提供価値
廃棄される素材を生かす、環境的な価値。iinoのストーリーを持ったプロダクトを使う喜びという、情緒的な価値。地域に循環を生んで、まちの関係性をゆたかにしていく、社会的な価値。この三つを、少しずつ重ねていきます。
そして、回りはじめたサイクル
このコンセプトを携えて、最初にmini-iinoが出かけていったのは、TAKANAWA GATEWAY CITYで開催された高輪地区まつりでした。
子どもたちがiinoの塗り絵をしてくれたら、お礼にmini-iinoを一層ずつ渡す。それだけの、小さな仕掛けです。
この仕掛けは、アップサイクルが生活者との接点を持ちにくい、という課題への、ぼくらなりのひとつの答えでもありました。塗り絵という入り口を用意することで、まずiinoという乗りものに触れてもらって、そのうえで一層を手渡す。モノだけが先に渡されるのではなくて、まちを動くiinoのことを少しでも知ってもらってから、その一部が手元に残る。そんな順番にしてみたかったんです。
サイクルの最初の一歩は、こうしてまちのいちばん小さな生活者たちから始まりました。
そして、塗り絵には、みんなのiinoに向けるまなざしが色として表現されます。ぼくらはそれを集めて、まちの人たちから受け取った贈りものとして、ぼくらのほうへ持ち帰ることにしました。
mini-iinoが一層ずつ渡っていく。塗り絵が一枚ずつ返ってくる。そのふたつが重なって、ひとつの輪になっていく。こうして集まった色のひとつひとつが、これからのmini-iinoの背中をそっと押してくれる気がしています。
もしどこかで小さなiinoに出会うことがあったら、ちょっと手にとってみてください。これからどこへ転がっていくか、その行く先を皆さんと一緒に見届けていけたらと思っています。どうぞ、よしなに。







